教員業績データベース |
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言語種別 | 日本語 |
演題 | TUL術前細菌尿陽性症例に対する感染パス導入の検討 |
学会名 | 第108回日本泌尿器科学会総会 |
学会区分 | 国内学会 |
発表形態 | 口頭 |
発表形式 | 一般 |
発表形式名 | 一般 |
発表者・共同発表者 | 福井 浩二, 赤木 直紀, 大嶋 浩一, 鈴木 透, 西崎 広典, 長澤 誠司, 相原 衣江, 東郷 容和, 古倉 浩次 |
発表年月日 | 2020/12/22 |
開催地 (都市, 国名) |
神戸 |
学会抄録 | 日本泌尿器科学会総会 108回,1092 2020 |
概要 | 【目的】尿管鏡の細径化や周辺デバイスの改良等により、経尿道的尿管砕石術(TUL)は尿路結石の一般的な治療法となった。しかし、TULは術後有熱性尿路感染症(fUTI)を引き起こし重症化することもある。泌尿器科領域における周術期感染予防ガイドラインでは、術前細菌尿陽性例においては抗菌薬を術前から投与し無菌化を図ることが推奨されているが具体的な期間設定は提言されていない。今回、手術時の尿中細菌量の減量に努める目的で、術前尿培養より感受性の確認された抗菌薬を術3時間前と術直前の2回投与を行った感染パスの感染予防効果を検討した。
【方法】2016年10月から2019年9月までにTULを施行し、術前に細菌尿が確認された105例を対象とした。2017年12月までは術直前単回投与のみであったが、2018年1月からは感染パスを導入した。感染パス使用群31例と感染パス未使用群74例での術後38℃以上のf-UTIの頻度について比較検討した。有意差検定はFisher's検定にて行い、P<0.05を有意差ありとした。 【結果】感染パス使用群31例中6例(19%)、感染パス未使用群74例中25例(34%)に術後f-UTIを認めたが、両群に差を認めなかった(p=0.11)。次に術前尿管ステント留置例66例と非留置例39例を感染パス使用群と感染パス未使用群でサブ解析を行った。術前尿管ステント留置例では、感染パス使用群22例中5例(23%)、感染パス未使用群44例中10例(23%)であり、f-UTIの頻度に差は認めなかったが、術前尿管ステント非留置例では感染パス使用群9例中1例(9%)、感染パス未使用群30例中15例(50%)であり有意差を認めた(P=0.04)。 【結論】術前尿管ステント非留置例では術前細菌尿陽性例に対する術3時間前と術直前の2回投与による感染パスの使用が有効である可能性が示唆された。しかし、術前尿管ステント留置例では感染パス使用の有無で術後f-UTIの頻度に差がないことから、術3時間前の抗菌薬追加のみでは不十分である可能性が考えられた。 |