教員業績データベース |
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言語種別 | 日本語 |
演題 | UP TO DATE6「尿路感染症/性感染症ガイドラインに基づく最新知見」 急性細菌性前立腺炎、慢性細菌性前立腺炎、急性精巣上体炎 |
学会名 | 第108回日本泌尿器科学会総会 |
学会区分 | 国内学会 |
招聘 | 招聘 |
発表形態 | 口頭 |
発表形式 | シンポジウム・ワークショップ パネル(指名) |
発表形式名 | 現地開催+LIVE配信+事後配信 |
発表者・共同発表者 | 東郷 容和, 山本 新吾 |
発表年月日 | 2020/12/23 |
開催地 (都市, 国名) |
神戸 |
学会抄録 | 日本泌尿器科学会総会 108回,432 2020 |
概要 | 細菌感染が関与する男性性器感染症の主な治療法は抗菌薬であり、日本感染症学会と日本化学療法学会から治療指針となるガイドラインが出されている。急性細菌性前立腺炎では、原因菌で最も多い大腸菌を主とするグラム陰性桿菌に有効であり、かつ前立腺への組織移行が良好なキノロン系薬が薬剤選択の中心となる。一方で、急性感染時にはβラクタム系薬も良好な移行を示すことから、軽症・中等症例ではキノロン系経口薬が第一選択ではあるものの、重症例では第二・三世代セフェム系注射薬やβラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系注射薬も推奨薬として列挙されており、重症度により2~4週間の投与が推奨されている。
慢性細菌性前立腺炎においても腸内細菌が主であり、欧州ガイドラインにおいてはキノロン系抗菌薬の4~6週間投与がgold standardとして推奨されている。しかし、低免疫状態であれば結核菌やカンジタ、難治性であればトリコモナス原虫も検出されることがあることを念頭におく必要がある。急性精巣上体炎では、年齢別に原因菌の頻度が異なる。若年者では性感染症としてクラミジアや淋菌が多く、年齢が進むにつれて大腸菌を中心とした腸内細菌の頻度が高くなる。前者には性感染症に準じた抗菌治療、後者には前立腺炎同様にその良好な移行性を考慮し、軽症・中等症例ではキノロン系経口薬、重症例では第三・四世代セフェム系注射薬が第一選択薬である。投与期間は重症度により2~3週間の投与が推奨されている。また、治療が難渋するケースには結核菌も念頭におき、精巣炎の合併が考えられた際にはムンプスウイルスも考慮する必要がある。幼少期や思春期では、精索捻転の除外が必須である。本セッションが、今後の皆さんの男性性器感染症診療における知識のUPDATEにつながれば幸いである。 |