教員業績データベース |
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言語種別 | 日本語 |
演題 | 病理診断におけるendothoracic fascia(特別企画) |
学会名 | 第9回JMIG研究会 |
主催者 | 岡部 和倫 |
学会区分 | 研究会・講演会等 |
発表形態 | 口頭 |
発表形式 | シンポジウム・ワークショップ パネル(指名) |
発表形式名 | 特別企画 |
発表者・共同発表者 | 辻村 亨, 結城 美智子, 佐藤 鮎子, 隅田 安由美, 阿部 晋也, 篠原 義康 |
発表年月日 | 2018/09/08 |
開催地 (都市, 国名) |
山口 |
概要 | 悪性胸膜中皮腫の病理診断では、①胸腔内に狙い生検できる病変のない早期中皮腫 ②積層した器質化組
織下に埋もれた腫瘍細胞など、の判定が難しく大きな問題となっている。このような症例では、弾性線維染 色により染め出される内弾力膜と外弾力膜の走行を助けとして胸膜の組織構造を把握し、深部組織への浸潤 像や器質化組織下における腫瘍細胞の有無などを評価する。一方、胸膜生検は、肋骨領域ではなく手技的に 容易な肋間筋領域で行われ、病理医が目にするのは肋間筋領域の胸膜組織である(時に骨格筋も認める)。外 弾力膜と胸内筋膜の異同が取り沙汰されているが、少なくとも肋間筋領域では外弾力膜は胸内筋膜へ移行し 弾性線維の束のように観察されることが多く、実臨床としての胸膜生検の病理診断では、このような理解で 大きな問題はないように思う。炎症や腫瘍が存在すると、胸膜の組織構造が不明瞭になりやすいことには留 意を必要とする。 胸膜肺全摘術(EPP)や胸膜切除・肺剥皮術(P/D)では、胸壁から壁側胸膜を剥離する層を外科医が意図 して決めているものではなく、壁側胸膜は胸内筋膜の付近から自然に剥離されていくもので、手術検体には 胸内筋膜や骨格筋が含まれることもある。これらの事実を踏まえて、病理医は、限りなくR0 に近い症例で あるのか、腫瘍細胞が残存するR1 症例であるのか、組織学的に判定することが重要である。 |