教員業績データベース |
|
言語種別 | 日本語 |
演題 | 夜尿症患児における関連症状の評価と治癒までの期間との相関 |
学会名 | 第26回日本小児泌尿器科学会総会・学術集会 |
学会区分 | 国内学会 |
発表形態 | ポスター掲示 |
発表者・共同発表者 | 寺田 直樹, 齊藤 亮一, 兼松 明弘, 今村 正明, 上仁 数義, 小川 修 |
発表年月日 | 2017/07/07 |
開催地 (都市, 国名) |
名古屋 |
学会抄録 | 日本小児泌尿器科学会雑誌 26(2),309 2017 |
概要 | 【緒言】トロント式dysfunctional voiding symptom score(DVSS) は排尿排便異常の診断に古くから用いられ てきた問診票で、我々が日本語版の公式認証翻訳を行っ た ( 今村ら、日泌尿会誌 2014)。今回我々は本調査票を 用い、夜尿症患児における関連症状の評価を行った。
【方法】2012-2016 年に、京都大学医学部附属病院およ び滋賀県立小児保健医療センターを受診した 5 歳以上 の夜尿症患児に対して、DVSS( 小児語版 ) による評価を 行った。症例数は 75 例 ( 男 40/ 女 35) であり、行動療 法以外の治療は、定時排尿 35 例 (46%)、下剤 10 例 (13%)、 抗コリン剤 21 例 (28%)、デスモプレッシン 25 例 (33%)、 夜尿アラーム 22 例 (29%) であった。年齢、性別を含め た各 DVSS スコアと夜尿症治癒までの期間について、Cox比例ハザード解析を行った。 【結果】初診時平均(±SD)年齢は8.1(±2.5) 歳。DVSS 各スコアの平均 ( ± SD) は、Q1( 昼間尿失 禁 ):0.9( ± 1.1)、Q2( 多量昼間尿失禁 ):0.7( ± 1.1)、 Q3( 排便回数不足 ):0.9( ± 1.0)、Q4( 排便困難 ):1.1( ± 1.1)、Q5(排尿回数不足):0.3(±0.7)、Q6(排尿我 慢姿勢 ):1.2( ± 1.1)、Q7( 尿意切迫 ):1.3( ± 1.3)、 Q8( 排尿困難 ):0.1( ± 0.5)、Q9( 排尿時痛 ):0.1( ± 0.4)であり、合計6.4(±4.3)であった。治癒ま での期間の中央値(95%CI)は626日(470-968)であ り、 年 齢 (HR:1.10, 95%CI:0.93-1.30, p=0.29)、 性 別(HR:0.80, 95%CI:0.40-1.60, p=0.52)、DVSS合計点 (HR:0.93, 95%CI:0.85-1.00, p=0.06)と治癒までの期 間に相関を認めなかったが、DVSS の Q1 スコア (HR:0.58, 95%CI:0.39-0.87, p=0.008)において相関を認めた。Q1 スコア 0 点群 ( 単一症候性夜尿症 )41 例に限った解析で は、治癒までの期間と相関する因子は認めなかった。 【考察】夜尿症患児における関連症状を DVSS によって評 価した結果、特に昼間尿失禁合併症例において治癒まで の期間が長い傾向を認めた。一方で、単一症候性夜尿症 における治癒までの期間と相関する因子は DVSS では認 められなかった。 |