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論文種別 | 原著 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読なし |
表題 | 膵炎発症とオートファジー-リソソーム系の役割 |
掲載誌名 | 正式名:胆膵の病態生理 ISSNコード:21854564 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 33(1),29-34頁 |
著者・共著者 | 大村谷 昌樹 |
発行年月 | 2017/06 |
概要 | オートファジーはリソソームを介する細胞内分解系であるが、急性膵炎におけるトリプシノーゲンの活性化や、その不全が慢性膵炎に関与している。トリプシノーゲンの活性化および不活性化にはリソソーム酵素;カテプシンB、Lが関与しているが、カテプシンDの役割は分かっていない。そこで、我々はカテプシンB、D、及びLの膵特異的欠損マウスを樹立し、まずカテプシンDと膵炎の関係を解析した。その結果、カテプシンDを欠損してもセルレイン膵炎の重症度、膵内トリプシ活性には影響が見られなかった。さらにそれぞれの二重変異マウスを樹立した。カテプシンB/L及びD/Lの二重変異マウスは生理的条件下で正常であった。次にカテプシンB、L、B/L欠損マウスにセルレイン膵炎を惹起し、膵内トリプシン活性を測定すると、カテプシンB欠損で低下、カテプシンL欠損で上昇したが、カテプシンB/L欠損ではカテプシンL欠損と同程度に上昇した。つまり、カテプシンBがトリプシノーゲンを活性化、カテプシンLが不活化を促進し、Lのトリプシンを不活性化する作用が優位に働いていると考えられた。カテプシンB/D欠損では、膵内に多数の空胞が見られ、オートファジー欠損マウス(Atg5欠損マウス)と酷似していた(カテプシンBとカテプシンDの単独欠損マウスは正常)。オートファゴソームマーカーのLC3とオートファジーの選択的基質p62タンパクの著明な蓄積を認め、オートファジー不全が明らかとなり、膵腺房細胞ではカテプシンBとカテプシンDの協調的な働きが重要であることが明らかとなった。(著者抄録) |
文献番号 | 2017251453 |