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論文種別 | 原著 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読なし |
表題 | Levofloxacin注射剤の腹膜炎患者を対象とした臨床試験 |
掲載誌名 | 正式名:日本化学療法学会雑誌 ISSNコード:13407007 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 65(3),456-468頁 |
著者・共著者 | 竹末 芳生, 大江 慶司, 奥田 恭行, 相崎 一雄, 河内 保之, 清水 潤三, 岡本 好司, 三鴨 廣繁 |
発行年月 | 2017/05 |
概要 | 入院加療が必要と判断された腹膜炎または骨盤内炎症性疾患による腹膜炎患者を対象にlevofloxacin(LVFX)注射剤500mg1日1回、3~14日間点滴静脈内投与の有効性および安全性を検討した。また、腹膜炎患者を対象にLVFX注射剤500mg投与後の腹腔内滲出液中への薬物移行性について検討した。臨床効果:治癒判定時の臨床効果(主要評価)は、腹膜炎で61.5%(8/13)、骨盤内炎症性疾患による腹膜炎で100.0%(4/4)であった。「無効」と判定された被験者では、膿瘍形成を伴った腹膜炎が含まれており、LVFX注射剤治療が効果不十分であった原因は、嫌気性菌の影響が強い腹腔内膿瘍の併発によるものと考えられた。微生物学的効果:投与終了時の微生物学的効果は、腹膜炎で50.0%(4/8)、骨盤内炎症性疾患による腹膜炎で75.0%(3/4)であった。薬物動態:LVFX注射剤点滴開始後の腹腔内滲出液中LVFX濃度は、点滴開始7~9時間後にピーク値を示し、平均値(範囲)は12.9(5.7~18.5)μg/gであった。血漿中LVFX濃度に対する腹腔内滲出液中LVFX濃度の比の平均値(範囲)は1.95(1.35~2.30)であった。安全性:有害事象発現率および副作用発現率は、71.4%(15/21)および28.6%(6.21)であった。2名以上に発現した副作用は注射部位紅斑のみであり、副作用の重症度はすべて軽度、転帰はすべて回復であった。以上の成績から、LVFX注射剤は、腹膜炎(骨盤内炎症性疾患による腹膜炎を含む)に対して、治療効果が期待でき、安全性に重大な問題はないと判断した。なお、膿瘍形成を伴う腹膜炎など、嫌気性菌が病態に重大な影響を与える場合には、抗嫌気性菌薬との併用の必要性が示唆された。(著者抄録) |
文献番号 | 2017238188 |