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論文種別 | 症例報告 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読あり |
表題 | 遅発的に症状が出現した鈍的腸間膜損傷・小腸損傷の1例 |
掲載誌名 | 正式名:日本救急医学会雑誌 ISSNコード:0915-924X |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 27(4),120-124頁 |
著者・共著者 | 坂田 寛之,白井 邦博,西村,山田 太平,尾迫 貴章,中尾 篤典,小谷 穣治 |
発行年月 | 2016/04 |
概要 | 鈍的外傷に伴う小腸損傷は早期の腹膜刺激症状の出現率も低く、CT検査での早期の遊離ガス検出率も決して高頻度ではないと報告されている。今回、受傷24時間後に臨床所見が出現し診断し得た鈍的外傷による小腸壊死の1例を経験した。症例は42歳男性。原付二輪車運転中に右折乗用車と接触し、約10m引きずられ救急搬送された。初期診療にて右緊張性気胸、右橈骨遠位端開放骨折、右足関節内顆骨折と診断し、胸腔ドレナージを施行した。初療時の単純CT検査で膀胱直腸窩に液体貯留を認めていたが、少量であり腹痛の訴えもないため保存的に経過観察とした。伝達麻酔で開放骨折の洗浄デブリードマン・創外固定術を行った後に、軽度の腹痛が出現したが自然軽快していた。受傷約24時間後になり腹痛が再燃、腹膜刺激症状も認めていたためCT検査を再度施行したところ、腹腔内遊離ガス像はなく腹腔内液貯留の増量も認めなかったものの、小腸管壁の肥厚を認めており、小腸ガスの貯留もみられていた。小腸損傷と診断し、開腹術を行った。小腸間膜損傷と支配領域の小腸損傷を認めたため、小腸切除を行い機能的端々吻合による再建術を実施した。術中所見から、遅発的に小腸損傷が生じた原因の一つとして腸間膜損傷に伴う血流障害が考えられた。術後経過は良好であり、術後12日目に軽快転院となった。(著者抄録) |
文献番号 | 2016373638 |