教員業績データベース |
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論文種別 | 総説 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読なし |
招待の有無 | 招待あり |
表題 | 神経眼科と外眼筋手術 |
掲載誌名 | 正式名:眼科臨床紀要 ISSNコード:1882-5176 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 9(1),19-31頁 |
著者・共著者 | 三村 治 |
発行年月 | 2016/01 |
概要 | 目的:長期間にわたって一専門施設で行った神経眼科領域の多数の外眼筋手術を後ろ向きに検討し、術式、正面視での複視消失率、再手術率などを検討する。対象:1986~2014年の18年間に兵庫医科大学病院眼科で神経眼科領域の麻痺性斜視、機械的斜視、核上性眼球運動障害、眼振などに対して、外眼筋手術を行った2,737例中経過を3ヵ月以上追うことのできた症例。方法:データベースから患者の性・年齢、疾患の原因、発症時期、発症から手術までの期間と治療、術眼と術式、微調整(調節縫合)の有無、正面視での複視消失率、再手術率と再手術までの期間などを後ろ向きに解析した。結果:上斜筋麻痺・滑車神経麻痺が865例と最も多く、3病型全てで男性が多くみられた。正面視での複視消失率は95%前後であった。動眼神経麻痺は165例、外転神経麻痺は252例手術を行い、正面視での複視消失率はそれぞれ58%、80%であった。甲状腺眼症は458例で手術を行ったが術前に43%がステロイドパルス療法が行われており、複視消失率は86%であるものの再燃による再手術が8%行われていた。重症筋無力症患者でも63例に手術を行っていたが、微調整が20%近く必要であるものの複視消失率は84%であった。強度近視性内斜視64例83眼で手術を行ったが、その8割で上外直筋縫合術が行われていた。眼振122例(うち周期性交代性眼振31例)で手術を行い、頭位異常は96%の患者でみられた。結論:神経眼科領域の麻痺性斜視、機械的斜視、核上性眼球運動障害、眼振などに対しては外眼筋手術を行うことにより、正面視での複視の消失(疾患により58~96%)や頭位の改善をみることができる。神経眼科領域の先天性および慢性期の眼位・眼球運動異常には外眼筋手術は極めて有効な治療の一手段である。(著者抄録) |
文献番号 | 2016137536 |