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論文種別 | 原著 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読なし |
表題 | グリコペプチド系抗菌薬のTDMに関する全国アンケート調査 抗菌薬TDMガイドラインとの比較 |
掲載誌名 | 正式名:日本化学療法学会雑誌 ISSNコード:1340-7007 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 63(3),357-364頁 |
著者・共著者 | 植田 貴史, 竹末 芳生, 中嶋 一彦, 一木 薫, 土井田 明弘, 和田 恭直, 土田 敏恵, 高橋 佳子, 石原 美佳, 木村 健 |
発行年月 | 2015/05 |
概要 | 2012年に抗菌薬TDMガイドライン(以下、TDMガイドライン)が作成された。今回、vancomycin(VCM)およびteicoplanin(TEIC)について、臨床現場におけるTDMの実施状況とTDMガイドラインを比較検討するためにアンケート調査を実施した。対象は全国419施設の病院の薬剤師として、VCMおよびTEICのTDMに関するアンケート調査用紙を配布して、VCMは345施設(82.3%)、TEICは300施設(71.6%)より回答を得た。TDM実施率に関して、「81%~100%」の施設はVCMで61.4%、TEICで55.3%であり、ともに50%以上の施設で認められたが、VCMのほうが全体として有意に高いTDM実施率を示した(p=0.011)。初回の血中濃度の採血日に関して、VCMは「3日目」が63.0%、TEICは「4日目」が50.3%で最も高率であった。VCMの目標トラフ値に関して、「通常の創感染」では約90%の施設が「12.5~15μg/mL」前後であり、「感染性心内膜炎・院内肺炎などの重症感染」では「15~20μg/mL」が約80%で認められた。一方、TEICでは、「通常の創感染」では「15~30μg/mL」が約75%であり、重症感染では「20~30μg/mL」が約50%で認められた。初期投与設計(腎機能正常、体重60kgの場合)に関して、VCMはTDMガイドラインで推奨されている「15~20mg/kg(または1g)1日2回」が31.9%であり、「シミュレーションソフトを用いて設計している」が53.8%と最も高い割合であった。一方、TEICのローディングドーズはTDMガイドラインで推奨されている「400mg1日2回2日間」が38.0%で最も高率であったが、さらなる高用量負荷投与である「600mg1日2回2日間」や「800mg1日2回1~2日間」を実施している施設も認められた。初回の血中濃度の採血日や目標値はTDMガイドラインで推奨されている内容と整合性が取れていたが、依然として高いシミュレーションソフトへの依存やTEICにおける高用量負荷投与の設定など、今後改善すべき課題も明らかとなった。(著者抄録) |
文献番号 | 2015271779 |