教員業績データベース |
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論文種別 | 症例報告 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読なし |
表題 | 手指屈筋腱に生じた結核性腱鞘滑膜炎の1例 |
掲載誌名 | 正式名:中部日本整形外科災害外科学会雑誌 ISSNコード:0008-9443 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 58(1),195-6頁 |
著者・共著者 | 藤岡 宏幸, 常深 健二郎, 山際 得益, 高木 陽平, 田中 寿一, 吉矢 晋一 |
発行年月 | 2015/01 |
概要 | 85歳女性。中咽頭癌にて放射線治療と化学療法などが行われていた。今回、誘因なく左環指のMP関節部を中心に頭痛と弾発現象を生じた。手指の腫脹や移動運動制限はなく、単純X線像では異常所見は認められなかった。狭窄性腱鞘炎(ばね指)と診断され、ステロイドの腱鞘内注射を数回行なうことで対処したが症状は改善しなかった。以後、MRIにて左環指屈筋腱腱鞘滑膜炎が疑われたが、血液検査では炎症反応は認めず、左環指屈筋腱に対する腱鞘切開術+滑膜切除術の施行により黄色の滑膜増殖がみられ、滑膜組織の細菌培養で結核菌が同定された。病理組織像から壊死とLanghans型巨細胞を伴う類上皮肉芽腫がみられ、本症例では結核性腱鞘炎と診断後、抗結核薬イソニアジド(INH、300mg)+リファンピシン(RE、450mg)+エタンブトール塩酸塩(750mg)を朝食後に、またピラジナミド(1.2g)を朝夕食後に約6ヵ月内服させた。更に加えてINH(300mg)+RF(450mg)を約3ヵ月間服用させることで患者は治癒することができた。以上、本症例の臨床的経過を踏まえ、結核性腱鞘炎を疑った場合には確定診断後、早期に抗結核薬服用とともに安静休養と体力回復などの指導を行う必要があると示唆された。 |
文献番号 | 2015330499 |