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論文種別 | 症例報告 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読なし |
表題 | 脊髄症を呈した胸椎椎間関節嚢腫の1例 |
掲載誌名 | 正式名:中部日本整形外科災害外科学会雑誌 ISSNコード:0008-9443 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 58(3),475-6頁 |
著者・共著者 | 堀之内 豊, 橘 俊哉, 長濱 史朗, 岡本 卓也, 森本 将太, 吉矢 晋一 |
発行年月 | 2015/05 |
概要 | 83歳男。以前から腰部脊柱管狭窄症と診断されており、近医で内服治療を受けていた。2ヵ月前に誘因なく両下肢脱力が出現し、徐々に歩行困難となり、当科受診した。MRIでL3/4とL4/5に中等度の狭窄症を認めた。また、T11/12レベルの脊髄内にT2強調像で高輝度変化を認めたほか、同レベルで右facet近傍の腫瘤が硬膜管を後方から圧排している所見を認め、椎間関節にはeffusionを認めた。CTミエログラフィでは、T11/12で椎間関節の関節症変化がみられ、右椎間関節近傍に存在する腫瘤により硬膜管と脊髄が後方から圧迫されている像を認めた。臨床診断にあたっては、これらの所見に加え、歩容が痙性歩行であることや、安静時にも両鼠径部以遠の痺れを自覚し、下肢深部腱反射の亢進を認めたことなどを考慮し、T11/12椎間狭窄による胸髄症と判断した。治療はT11/12の開窓術を行った。黄色靱帯を切除し除圧していくと、右の椎間関節近傍に嚢腫状の病変があり、嚢腫は硬膜と癒着していたため、剥離し切除した。切除標本の病理組織所見から嚢腫状病変は、靱帯組織の障害に伴う二次的変化の可能性が示唆され、facet joint cystまたはsynovial cystと考えられた。術後経過は良好で、JOAスコア(11点満点)は術前の7点から術後6ヵ月で8.5点に改善した。 |
文献番号 | 2015335929 |