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論文種別 | 原著 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読なし |
表題 | 進行期から終末期における肺がん患者への理学療法介入について 最期まで患者と家族のQOLの改善を支援した1症例 |
掲載誌名 | 正式名:緩和ケア ISSNコード:1349-7138 |
巻・号・頁 | 23(1),81-85頁 |
著者・共著者 | 窪田 朋恵, 森下 慎一郎, 児玉 典彦, 福永 智栄, 道免 和久 |
発行年月 | 2013/01 |
概要 | 症例は60歳代男性で、腰痛、大腸のしびれを主訴に受診、肺小細胞癌、多発骨転移(Th9-11、S1-2、下腿骨、肩甲骨、肋骨)、肝転移と診断され入院、治療を開始した。転移巣があり治療終了後はベストサポーティブケアとなる可能性があることを告知され、具体的な予後は家族にのみ告知された。胸腰椎放射線治療(20Gy)、化学療法(1クール目は終了)施行中で、骨盤抑制による易感染性状態で、クリーンウォール内で管理のため、臥床による筋力低下を患者自身が心配している。疼痛コントロールはフェンタニルパッチを使い、胸部CTでは左肺に若干胸水貯留を認めるが現状で酸素療法の必要はない。脊椎転移巣の神経浸潤により腰椎部と左大腿前面の疼痛、しびれがあり、下肢・体幹の筋力は股関節屈強区4-/2-、膝関節伸展4-/3、足関節背屈4/4、体幹2と低下していた。目を閉じていることが多く、倦怠感、下肢の浮腫軽減のためリラクゼーション、ストレッチを開始した。10日目、歩行器を使用しゆっくり病棟1周80m程度の歩行が可能となった。化学療法3クール終了後、癌性髄膜炎のため意識が混濁しADLは全介助レベルに低下した。介入57日目、退院予定4日前に死亡退院となった。一時的ではあるがADL改善に伴い、自主的に活動できる環境を作ったことは患者の自律性を維持することにつながり、患者のニーズだけでなく、背景にある想いを知ることで患者、家族にとって最期まで希望に沿った介入を継続できた。 |
文献番号 | 2013151199 |