教員業績データベース |
|
論文種別 | 原著 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読あり |
表題 | 頭頂葉腫瘍症例におけるGerstmann症候の検討 |
掲載誌名 | 正式名:兵庫医科大学医学会雑誌 ISSNコード:0385-7638 |
巻・号・頁 | 38(1),89-96頁 |
著者・共著者 | 上田 順二, 友金 祐介, 泉本 修一, 森 鑑二, 三刀屋 由華, 道免 和久, 大門 貴志, 有田 憲生 |
発行年月 | 2013/11 |
概要 | 脳腫瘍症例を対象として頭頂葉高次機能を検討した報告は極めて限られている。とくに髄膜腫のような髄外腫瘍を含めた多数例の検討は文献上報告がない。本研究では、頭頂葉腫瘍手術症例における術前の高次脳機能障害について解析した。<対象および方法>対象は開頭腫瘍摘出術を行った28例(男性13例、女性15例、平均年齢60.1歳)で、病理組織診断は髄膜腫10例、神経節膠腫1例、星細胞腫3例、膠芽腫7例、転移性腫瘍7例、右病変8例、左病変19例、両側1例(大脳鎌髄膜腫)であった。表在性病変は頭頂間溝を基準として外側および内側病変に、また深部白質に主座がある病変は深部病変として分類した。高次脳機能検査としては、術前に書字、計算、左右失認、手指失認テストを行い、これら4症候の有無と年齢、性別、利き手、腫瘍の局在、最大径、脳浮腫の程度との相関を比較検討した。<結果>腫瘍の局在は外側型7例、内側型16例、内外側型1例、深部型4例であった。28例中10例では全く異常を認めなかった。残り18例では、4症候中少なくとも1項目以上で障害を認めた。Fisher's exact testでは、手指失認は内側病変より外側病変に多い(p<0.05)、悪性腫瘍(膠芽腫、転移性腫瘍)では良性腫瘍(髄膜腫、神経節膠腫、星細胞腫)より失書が多い(p<0.01)、の2項目でのみ有意差を認めた。Gerstmann症候群、すなわち4症候すべてを認めた症例は4例のみで、右利きの左外側あるいは深部悪性腫瘍であった。右利き、右病変で、4症候のうち少なくとも1つ以上を認めた例は3例であった。髄外病変である髄膜腫10例中7例でも少なくとも1つ以上の症候を認めた。<結論>頭頂葉腫瘍では、純粋なGerstmann症候群は少ない。髄内病変のみでなく、髄外病変である髄膜腫でも4症候が種々の組み合わせで出現することを明らかにできた。(著者抄録) |
文献番号 | NC10440015<Pre 医中誌> |