教員業績データベース |
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論文種別 | 総説 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読なし |
表題 | 【手術室における感染対策】 周術期抗菌薬投与をどこまで短くできるか、またそうするべきか |
掲載誌名 | 正式名:日本手術医学会誌 ISSNコード:1340-8593 |
巻・号・頁 | 34(1),22-27頁 |
著者・共著者 | 植田 貴史, 竹末 芳生 |
発行年月 | 2013/02 |
概要 | 現在米国ではsurgical care improvement project(SCIP)が2004年より実施されている。感染症対策としては、予防抗菌薬適正使用、血糖管理、適切な除毛管理、術中保温が挙げられている。予防抗菌薬適正使用に関しては、I:予防抗菌薬は皮切1時間以内に投与、II:術式によって推奨されている予防抗菌薬を選択、III:手術終了時後24時間以内に予防抗菌薬を終了(心臓手術では48時間)の3項目が示された。そのなかで、予防抗菌薬の投与期間を24時間以内の短期投与にするためには、まず予防抗菌薬の適正使用が前提であり、適正使用していなければ投与期間を短縮しても意味がない。予防抗菌薬の適正使用としては、(1)適切な選択:手術を行う場に常在する細菌(=術中汚染菌)に有効な薬剤を選択、(2)適切な1回量:予防抗菌薬の投与量は治療量が必要(80kg以上の肥満患者ではセファゾリンの1回使用量は2gに増量)、(3)適切な初回投与のタイミング:皮切1時間前以内に投与(バンコマイシンやニューキノロン系薬では2時間前)、(4)適切な術中再投与:通常再投与の時間は抗菌薬の半減期の2倍を参考に行い、腎機能低下時には抗菌薬の半減期が延長するため、腎機能に応じた投与間隔の設定が必要である。上記の抗菌薬の適正使用を実施した上で、投与期間に関しては3日以上の予防抗菌薬投与は耐性菌発生リスクであり、予防抗菌薬投与の延長ではより高い術後感染予防効果は得られないことから、原則としてSCIPでも24時間以内投与を勧めているが、心臓手術に関しては48時間まで認めている。(著者抄録) |
文献番号 | 2013205925 |